2020年2月11日火曜日

フィクション?(後編)


 『フィクションと現実は違う』。
 そう言い切れるほど、証明の刀がないと気づけたら。
 友達になる物語は選んだ方がいい、と思うのかもしれません。
 呼び鈴が鳴ったら、もう魔法の呪文も届きませんから。





テツガクちゃん
 気づいてしまいました! 私!
 友達になる物語は選んだ方がいいことに。

 歌にもありますよね?
 友達は選んだ方がいい、仲間は多い方がいい。
 そんな歌詞が。『ヒャクレンジャー』とか。

 それは、物語もそうだと思います!
 『フィクションと現実は違う』から。
 そう考えていると、深淵の霧の中に迷い込んでしまいます。

 それはそれで面白いのですが。


肯定
 たしかに、友達になる物語も選んだ方がいいよね。

 『フィクションと現実は違う』というフィクションに染まると、その霧の中に入ってしまう。
 自分が現実の全てを知っているような。

 フィクションの霧の中に。

 フィクションだから関係ない、と言えば。

 自分が関係ないと言われてしまうような霧とかね。

 ただ、厳し過ぎるレーダーも問題で。
 僕のレーダーは少し厳しいから、なかなか友達になれる物語が少なくて。
 流行の物語を見ても、小さな恐ろしさや危険の欠片を感じたら、拒絶感による拒否反応が出てしまってね。

 僕が友達と思える物語は少ないかも。


テツガクちゃん
 荷物は少ない方が遠くへ行けますよ。
 
 それにレーダーがしっかり反応していることは、とても大切なことです!
 氷山にぶつかる前に進路を変えられますから。

 そして、風も捉まえられるはずです。


肯定
 風?
 風って、気流とかそういう風かな? 


テツガクちゃん
 そうです。バタフライ効果の風です!
 とても強い上昇気流です!
 
 ステキな世界や物語を好む人には、そういう風が吹くような気がします。
 『類は類を呼ぶ』……というのは、少し変な言い回しですが、そんな感じです。

 自分が起こした風が、自分を遠くへ連れて行く。

 そんな新しい風を呼ぶ、という感じです。


肯定
 たしかに、それは類が類を呼んでいるね。
 風が風を呼ぶ。

 あっ、その先に類が友を呼ぶ、という世界が待っているのかもね。
 仲間が多ければ、大切な友達と出会う。

 様々な風を乗りこなせば、いつか大切な友達と出会うのかも。


テツガクちゃん
 きっと、そうですね!

 風と出会って、友達に出会う旅の物語。
 ですから、覗く窓は大切に選びましょう。

 物語という窓。

 あなたがどんな世界を覗くかで、自分の部屋にやってくる訪問者が決まるのかもしれません。

 もう、その時には、『フィクションと現実は違う』という魔法の言葉は届きません。
 訪問者はフィクションの世界から抜け出してきてしまいますから。

 もし呼び出せるのなら。

 ステキな訪問者に招待状を送りたいですよね。




それでは、また次の機会にお会いしましょう。











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砂漠でアマゾンを探している

 多くの人は砂漠でオアシスを探している。  平和ってオアシスを信じて、求めて彷徨う。   隣にアマゾンがあっても、砂漠の中で探す。  今、本当に欲しいもの、ITを忘れかけながら。  砂漠のオアシスなのか、豊かな水源があるアマゾンなのか。