2021年8月10日火曜日

血の気が引く


 あまりにもつまんなくて。
 退屈な流行のトップ10に血の気が引いた。
 恐怖や戦慄を感じなくても。
 引いていく、血の気があるんだと。
 再認識した人生の下りは。
 あっという間の閃光花火。





肯定
 柔らかいマットの上。
 四車線ほどの幅の平均台。
 その上を歩くのが。
 
 本物の綱渡りだと。
 大金と名声が舞う、流行のトップ10。
 面白さの欠片もない、コミックショー。

 それを知った僕は。
 血の気が引いた。


テツガクちゃん
 流行のトップ10。
 この言葉ほど。
 当てにならない存在もありませんから。
 
 そんなに恐れ怖れたり。
 戦いに慄く、その必要はトタン屋根の上にです。

 ですが、そういうわけにもいかない。
 そんな本心に悩まされているのでしょうか?


肯定
 あっ、いや。
 そうじゃなくてさ。

 血の気が引く。
 それは、恐怖や戦慄でそうなる。
 そう思っていたけど。

 あまりにも。
 つまらなくて、退屈だから。
 引いていく、血の気もあるんだと。

 再認識していたんだ。


テツガクちゃん
 なるほど、言われてみれば。
 私にもそんな覚えがあります!

 つまんない、つまんない、つまんない。
 それらが、かけあった夏の休みは。

 限りなく、さめた冷凍食品。
 カチコチです。


肯定
 そうだね、カチコチだよ。 

 実力主義だとか言っても。
 その実力をはかるやつが。
 実力知らずじゃ。
 いったい、どうやって決めるのだろうか?

 何度でもやり直せる。
 四車線ほどの幅の平均台と。

 僕らが下ってる。
 巻き戻らない、人生の下り。
 
 どちらが綱渡りか。
 そんなのわかりきっている。
 きっと、何度でもやり直せるから。
 綱渡りなんだろう。

 ノーリスク、ハイリターン、ロースピード。
 あくびが止まらない、つまんない。
 そんな物語が実力主義の綱渡り。

 だけど、僕らは。
 実力なんて欠片もないから。
 気づかれずに、八連続ヘアピン下り坂。

 ガクちゃん。
 次、Aを四つ揃えて、不戦神話のA。
 加速して、僕のさめた気分をあっためて。


テツガクちゃん
 八連続でも不可思議に続いても。
 下りきってみせますよ。

 WAGAMAMA、四つ揃ったAは、不戦神話のAです。

 私たちの速度は。
 
争い知らず、実力知らず、限り知らず。
 
 実力派、本格的なんとか物語。
 そんな物語よりも、もっと胡散臭い。
 彷徨える、素人派風来坊の物語。

 特別、誰かに認められなくても。
 流行に支持されなくても。
 貫ける、我がままさえあれば。
 進める、今、この瞬間は。

 ハイリスク、ノーリターン、ハイスピード。
 渡りきる前に燃え尽きてしまう。
 あっという間の閃光花火。

 つまんない退屈も。
 引っ込む血の気も。
 置き去りにして、抜け出してしまう。

 きっと、あなたの速度も。
 この先に待っている、光速の曲がり角。
 そこに残るのは、あなたが通った証の光。
 それを追う影のような残光残像だけ。

 後も腐らない、一生は。
 侘しく寂しいようで。
 強く美しい、侘寂のような。

 あなたもそうは、おーもいませんか? 




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無関心は希望

 好きの反対は無関心。  そんなたわ言、誰が言ったのか知らないが。   今の私からすれば無関心は希望。  今まで気づけなかった、その未知は。  愛しの故郷、待ちきれない今は夢の今。