自分の時間は時給いくら

　自分の時給を気にするのなら。
　そのまま、永遠に。
　自分一人で生きていれば。
　誰にも貴重な時間は奪われない。
　そんな幸せが確約されている。





肯定
　自分の時給を考えてくれ。
　そう要求する人は。

　そのまま、永遠に。
　自分一人で生きれば。
　幸せなんだろうね。

　誰も自分の貴重な時間を。
　奪わないから。

　でも、僕には無理そう。


テツガクちゃん
　無理でしょうね。

　私のワガママが。
　初心者マークよりもピッタリと。
　貼り憑いてしまいました。

　そして、唐突に。
　肯定さんの前へ飛び出して。
　そこからは、私の我がままが。
　肯定さんを振り回していく。

　損失額は額知らずですね。


肯定
　全然、額知らないね。
　でも、最高だよ。

　時給を気にして。
　自分に都合のいい時間だけを並べる。

　歪な見世物小屋。
　有意義だと思っていた展示物も。
　ある日、一瞬で。
　その全てが無意味に思える。

　だけど、あのゴミ箱。
　棄ててきた、何かの中には。


テツガクちゃん
　ホンモノの輝きを放つ。
　そんな何かがある。
　
　ゴミ箱こそ。
　地図には載っていない。
　たからじまですね。

　肯定さんと話す、一時間。
　私は、その時間に対価を払えません。
　払えるわけがありません。

　数字という幻では。
　あらわせないほど。
　大切な重さなのですから。

　ですから……。
　私も全速全開で。
　これからも、まだまだ振り回しますよ。

　そんな私のWAGAMAMAに。
　ついてこれますかな？


肯定
　まだまだ、ついていきたいね。
　WAGAMAMA、四つ揃ったAは、不戦神話のA。

　そんな速度が大好きだから。
　このまま、シカトし続けて。
　人生の下りを暴走したいね。

　僕に残された時間？
　何それ、流行なの？

　残された時間なんて。
　最初から微塵の欠片もない。

　今、加速する、この瞬間だけが全てで。
　それは、数字という幻でははかれない。

　メーターは。
　唐の昔に止まった。
　
　あなたが見ている。
　このケイソクフノウな速度の残像。
　それが何キロなのかもわからない。
　
　あなたは、ついてこれるだろうか？
　時給を考えたら、とんでもない損失額の。
　僕らの速度に。

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。