人が過ちを繰り返すのは

　人が過ちを繰り返すのは。
　人をつくった神様が大間違いを犯したから。
　自分を分裂させながら、全ては一体であるだなんて。
　とんでもない過ちを誰かに求めたから。
　だから……この過ちも必ず忘れられる。





肯定
　最近になって気づいた。
　神様も過ちを犯すって。

　それも人が繰り返すような。
　可愛げのある小さな過ち。
　戦争とか戦争とか崩壊とか。

　人がやらかしたこと。
　それとは比べようがない。
　見当違いの大間違いを犯すんだ。

　自分を分断し。
　50憶ものを人をつくりながら。

　その一方で。
　我々には上下左右に東西南北。
　そういう特別なんてなく一体なんだ。

　それを全ての人が。
　信じると求めた。

　マジで笑える話。
　スゲー、迷惑だよ。


テツガクちゃん
　ホント、困ってしまいますね。
　偉大なる神様の壮大なオナニー計画には。
　心中お察しますよ、私のホームズさん。

　いったい上下左右。
　東西南北に老若男女。

　そういう特別に思える。
　我をなくして。
　どうやって自分を認識するのでしょうか？

　人が我がままになり。
　特別って意識を持つのは。
　当たり前に然り当然なことです。

　ですが、それは幻想だと。
　与えた我を奪って。
　君達は一体だなんて……。

　神様が様々な自分。
　その一面を経験したいからって。
　それに巻き込まれたら。
　堪ったものではありませんね。


肯定
　そう、そのとおり。
　さすが、我が愛しのワガママ・クイーン。
　人の我がままを知り尽くしている。

　ハッキリ言って特別扱いされたいね。
　でも、どう扱われるのかは。
　思い通りに決めたい。

　みんな同じなんて嫌だ。
　特別に優劣はある。
　だけど、この世界に溢れる、それとは違う。

　僕が感じた特別な憧れ。
　その優劣を語る時。
　ITを同じ目線で感じようと。
　一緒に楽しんでくれる。

　これこそが僕にとっての故郷。
　それは、この世にはないって気づいた。


テツガクちゃん
　気づいてしまいましたね。
　素晴らしいことです。

　人が過ちを繰り返す。
　その事実を悲観する必要はありません。

　なぜなら、人をつくった神様は。
　つくった人以上の過ち。
　それを永遠にやらかし続けているのですから。

　自分とは違う存在をつくりながら。
　自分と同じ答えを信じると。
　迷惑な期待を求め続ける。

　ですが、それに気づけたら。
　きっと、この過ちも。
　必ず忘れられるはずです。

　来る世界を間違えた。
　我々はこの世界に誘拐されてきた。

　滅ぶべきコウノトリによって。
　忌々しいキャベツ畑に墜とされた。

　まさに、この世って湯屋に。
　名を奪われたジェイソン・ボーン。
　与えられたジョン・Gを追い続けるレナード・シェルビー。

　だからこそ――。

　汝、自身を知れ、アンダーソン君。

　例え、知った自身がいつかの過ちでも。
　必ず故郷はあるものです。

　この欺瞞の世界ではなくて。
　自分、その我がままの中に。
　ですから、マスクを外しては……なりませんよ？
　銀の弾丸で、その運命を撃ち抜くまで。

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。