2021年11月30日火曜日

見る側の視点、作る側の視点


 読者の想像力は。
 作者の想像予想を超えてしまうから。
 永遠に本当の読者の視点はわからない。
 そう思っていたけど。
 それは、お互い様なのかもしれない。





肯定
 ああ、見る側の視点を覗けたらな……。

 一応、読者の視点を覗こうとするけど。
 それは、作る側の僕が見た読者の影で。
 本当の読者ではない。

 それが問題で……。


テツガクちゃん
 どう問題なんですか?

 ちゃんと読者のことを意識しているのなら。
 それで、いいのではないのでしょうか?


肯定
 作る側が見た読者の影だと。
 どうしても、錯覚が生まれてしまう。
 それが問題なんだ。

 僕が覗いた、読者の視点は。
 自分が作り出した、読者の影。
 でも、その影に見えないものが。
 本当の読者には見えている……。
 そんな気がするから。


テツガクちゃん
 そうですね。

 本当の読者は。
 作者には想像もできない。
 そんな視点を持っていますから。

 ですから。
 いくら読者を理解しようとしても。
 理解しきれない幻だから。
 錯覚という幻を覗いてしまう。


 なんとなく。
 今、肯定さんが向き合っている、この問題は。
 量子力学的な叙述トリックみたいですね。

 明日、野球を観に行こうと思ったけど。
 永遠に明日は来なかった。
 なぜなら、次のページが白紙だったから。

 こんな感じの。
 ステーキな話です。


肯定
 そう言われたら、そうだね。

 意図せず、勝手に生まれてしまう。
 量子力学的な叙述トリックって感じだね。

 どんなに伝わるように、と読者を意識しても。
 全てが歪んで、錯覚が生まれていく。
 そして、読者は。
 作者が想像もしていなかった景色を見ている。

 素晴らし過ぎる、めちゃ速な想像力で。


テツガクちゃん
 きっと、見てしまいますね。

 ですが、振り返って考えてみてください。
 めちゃ速な読者を振り回しているのは。
 先行する、作者です。

 作者が様々な錯覚を見せてしまう。
 それに気づけたら……。
 それは、最高の魔法じゃないですか!

 作者も想像できなかった、様々な景色。
 それを読者に見せてしまうなんて。

 そして……。
 たぶん、おそらく、きっと。
 お互い、同じなのでしょうね。
 読者も作者も。

 読者がいくら作者の視点を意識しても。
 作者が描いた景色は覗けません。
 なぜって、もうそれは。
 加速した今の残像ですから。

 お互い、幻を見て。
 同じ悩みを共感しているのかもしれません。
 もし、そうなら……。
 とってもステーキなことですね!


肯定
 そっか、そうだよね。
 お互い様なのかも。

 お互いが同じ、当たり前を見ていて。
 だけど、その当たり前は。
 それぞれ違うから、錯覚が生まれる。

 そんなことも。
 やっぱり、同じ当たり前で。
 なんか悩むのが笑えるくらい、ステーキだね。  
 お互い、わからない視点を共感できるなんて。


テツガクちゃん
 ステーキですね!

 そして、それに気づいてしまったのなら。
 きっと、欲張りに。
 見る側、作る側、その両方を。
 同時に覗くことだって、できるのかもしれません!

 今まで気づけなかった。
 目指したい場所が見えたのなら。
 いつか辿り着ける、ワガママな視点。

 全ては、『存在と同時に存在しない』です。

 わかっているようで。
 わかっていない。
 そう気づけた時に、わかること。
 それは、確かにあります。

 その唯一の答えは。
 見つけた人の数だけある、無二の形。

 歪んでいく錯覚。
 それに気づけたら。
 見つかる、新しい視点もあります。
 あなたにしか、気づけない視点は。
 かなりめちゃ速です!




それでは、また次の機会にお会いしましょう。











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無関心は希望

 好きの反対は無関心。  そんなたわ言、誰が言ったのか知らないが。   今の私からすれば無関心は希望。  今まで気づけなかった、その未知は。  愛しの故郷、待ちきれない今は夢の今。