2021年12月1日水曜日

安い生命


 憲法だとか法律だとか。
 法曹の法螺に認められないと。
 生まれない価値なんて要らない。
 そんな生命は吐いて棄てちゃいな。
 廉い恥の生命なんて破いちゃいな。





否定
 都会じゃなくても。
 生命なんて安いのさ。
 そこらへんの石ころよりも安い。

 憲法だか拳法だか。
 法律だか法螺だか。
 変なことを法曹は謳うけど。
 
 それは、嘘っぱちだ。

 人の命なんか。
 私の命なんか。
 誰かの命なんか。
 
 吐いて棄てるもの。
 要らないよ。

 秘密結社『SYAKAI』やMr.世間様はそう謳う。
 そして、謳っているそれらも要らない。

 安い生命なんか要らない。


フィロソフィー
 否定さん。
 私にとり憑いた疑問符に。
 答えていただけますか?

 生命、それは。

 安いから不要なのでしょうか?
 高ければ必要なのでしょうか?


否定
 ステキな疑問符だね。
 私もうっかりしていたよ。

 安いから不要なんじゃない。
 高ければ必要なんじゃない。

 生命なんか要らないのさ。
 そう、ちゃんと言わないと。
 私の本音も歪んでしまうところだったよ。

 ありがとう、ソフィー。


フィロソフィー
 いえいえ、たまたまですよ。
 そんなことよりも……。
 
 たしかに、考えなくても。
 要りませんね。

 法曹に認められ。
 『SYAKAI』やMr.世間様。
 それらに、必要とされないと生まれない価値。
 
 そんな生命なら。
 最初から要りません。

 法に認められなくても。
 誰にも必要とされなくても。
 何もなくても。

 当たり前に然り、当然と在り続ける。
 それだけが永遠にあれば、他には何も。


否定
 そうだね、他には何も。

 そう、当然に在り続けられるもの。
 それが、生命の形のような気もする。
 きっと、本当はね。

 それが、いつの間にか。
 歪んでしまった。
 何かが積み重なった、その重さで。

 豚小屋の王子。
 怠惰太子の大罪に染まった、今。

 私達は法や誰かに認められないと。
 何もできない役立たずな怠惰民。

 なんて……。
 それは、幻想だね。


フィロソフィー
 きっと、幻想ですね。

 重さで歪み。
 狂い乱れてしまった、その狂乱は。
 
 法に認められなくても。
 誰かに認められなくても。
 何もなくても。

 狂い乱れ続ける。
 今、この瞬間です。

 何かを歪ませたように。
 歪んだものすら、再び歪ませてしまう。
 そこに理由など在りません。

 認められ必要な理由。
 そんなものがなくても。
 もう、この狂乱は止まれません。

 永遠に続きます。
 きっと、あなたの生命のように。
 当たり前に然り、当然と在り続けます。

 それこそが、生命のような。
 そんな気持ち、わかるでしょう。




それでは、また次の機会にお会いしましょう。









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無関心は希望

 好きの反対は無関心。  そんなたわ言、誰が言ったのか知らないが。   今の私からすれば無関心は希望。  今まで気づけなかった、その未知は。  愛しの故郷、待ちきれない今は夢の今。