たぶん、誰もが大泥棒。
その成功率は限りなく9割に近い。
問題は……その事実に。
気づけるか、気づけないか。
それが大きな分かれ道。
肯定
これまでを振り返ってみれば。
ある程度は、自分が欲しいと思ったもの。
それは、手にしてきたのかも。
昔よりは絵を描く速度も手にしたし。
物語も描けるし、愛しい相方とも再会したし。
小さなことにもそれなりに満足できる。
そんな気持ちも手にした。
それでも、なお。
止まらない欲望と希望の不満と一流の文句。
それらも消えずに廻り続ける。
どこかにある、理想の今に向かって。
これって、あの怪盗にも負けない実績だよね?
テツガクちゃん
そうですね。
三代続く怪盗にも負けない。
我がままな実績かもしれませんね。
ワガママ・クイーンの私が言うと。
少しは説得力の重さがありますね。
我が愛しの相方。
肯定さんの成功率は、どれくらいですか?
肯定
そうだね……テキトウな平均だと6割くらいかな。
でも、残りの4割はできなかった、という意味ではないんだよ。
今はまだ手にしてないもの。
これから欲しくなる新しいもの。
それらを含めて、4割くらいは『まだ手にしていない』という話でさ。
だから、本当は限りなく9割に近いのかも。
途中で、それは欲しいものではなかった、と気づくほど。
眩しく輝く、新しいものを手にすることもあるし。
きっと、誰もが偉大な大泥棒なんだと思うよ。
欲しいものは全て手にする。
成功率が限りなく9割に近いさ。
問題は――。
テツガクちゃん
その事実に気づけるか、気づけないか。
ということですね。
肯定
その通りがいつも通り。
今日も気づいてしまう。
頼りなるアンテナが活動中ですね。
テツガクちゃん
たまたまですよ。
ちょうど心地いい風に気づけたので。
風が吹いていることに気づけるか、気づけないか。
その風に乗れるか、乗れないか。
そんな単純な鍵が、複雑な宝箱を開けてくれたり。
誰もが大泥棒。
だけど、その事実は。
他の泥棒に盗まれてしまっているのかもしれません。
あなたは大丈夫ですか?
欲しいものを手にしてきた、その記憶。
それを、誰かに盗まれたりしていませんか?
自分は『欲しいものを何も手にしていない』というラベルを貼られ。
『何も手に入らない』、そんな退屈でつまんない物語を。
無意識に描いていませんか?
もし、心配なら、今、この瞬間をよくご覧くださいな。
今、この瞬間は誰にも盗めません。
全てを繋ぐ、今を手にしている。
そんなあなたより、凄い大泥棒が他にいるのでしょうか?
きっと、あなたなら末広がりな怪盗にも負けない技で。
欲しいものを手にできるはずです。
どうでもいいラベルと退屈な物語は。
トタン屋根の上に放り投げて。
今から何が欲しいのか。
それを手にした気分を想像しながら。
次の序章に会いに行きましょう。
GOです、GO!
伝説の大泥棒が大活躍する今、この瞬間へ。
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