何度も繰り返し上った、永い階段。
だけど、ある日気づく。
これは悲劇じゃない、喜劇だと。
そして、ゆっくりと永い階段を下りていく。
喜劇王、アーサー・フレック・ステップで。
肯定
何度も何度も繰り返し上る。
永い永い階段。
苦しい、つらいと嘆くな。
影口、悪口を言うな。
不満を表すな。
全ては自己責任だから。
他人のせいにするな！
自業自得！
それをするな、と命令され否定され。
知らない誰かに罪を押しつけられる。
勝手に自分の責任だと決められる。
知らない他人が自分のせいにする。
誰かの他責思考と他己責任。
それに支配された。
事なかれ至上主義の日々。
だけど、ある日気づく。
これは悲劇じゃない、喜劇だと。
もう、うんざりだ。
テツガクちゃん
まさに喜劇です。
前だけを見て進め。
そう言われて進んだら。
後ろから撃たれて、穴に落ちる。
悲劇ではありません、喜劇です。
ビデオ・スターの喜劇。
地獄で会いましょう、マレー！
肯定
もしかしたら。
ココがその地獄かもしれないけど。
一つ言える事は。
ココは僕の故郷ではないって事。
こんな世界、僕にはいらない。
都合のいい優等生。
その模範解答を求められ。
それに従わなければ罪だと糾弾し。
悪いお前に罰を与える。
そんな世界なんかいらない。
仮面優等生ではないから。
自分が悪者になる世界。
この世を故郷だと選ぶ理由がない。
言えるのはこれ。
とっとと滅んでくれ。
ファッキン・ブラック・ワールド！
そう気づき、そう叫べたら、飛べた。
まるで、重力なんて足枷が嘘のように。
繰り返し上った、永い階段を下りていく。
その足取りはアーサー・フレック・ステップ。
テツガクちゃん
まさに、地上に舞い降りた天使。
この世って悪霊は要求します。
事なかれ至上主義で、見て見ぬふりをしろ。
常に間違っているのは自分、自分を粛清しろ。
それが優等生の模範解答、黙ってそれに従え、と。
『ピノキオの遊園地』から出荷されたお前達は。
そういうロバなのだから、と。
狼にはなれない、狼の餌だから、と。
この事実は悲劇ではなく喜劇です。
我がままである事を許さない。
そんな器の小さな世界に誰がいたいと思いますか？
見て見ぬふりをしましょう、事なかれ至上主義で。
この世界の全てを。
永い階段を下りる、決断の刻。
その足取りは天使のように軽く。
飛ぶように歩いた、喜劇王アーサー・フレック。
特別、何かを成し遂げる必要もありません。
忘れてしまいましょう、こんな世界など。
ただのピエロです。
臆病者のか弱い独裁者。
人から我という力を奪った哀れな小心者。
忘れ去られる悪霊。
青く醜い地球と言う名のデス・スター。
そういうオーバールック・ホテルです。
無関心で夢関心へ飛ぶ。
もし、復讐があるとしたら、これこそが復讐。
自分が幸せで在れる、そういう今へ舞い降りる事が。
このファッキン・ブラック・ワールドに対する。
さあ、シナトラを歌いましょう。
『That's life』ではなく、これこそが人生だと。
心から思える夢が、自分の故郷です。
心臓を愛する人に預けて来た、彷徨えるダッチマンよ。
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