穏やかな青さに身を任せるな

　穏やかな青さに身を任せるな。
　諦めた夢を燃やせ。
　のさばる星屑に怒りをたぎらせろ。
　いかれ、いかれ、奪い取る星に。
　飛べ、飛べ、白い影に。





テツガクちゃん
　私達が知る、キャプテン・バルボッサが。

　穏やかな賢さに身を任せるな。
　囚われた我を燃やし。
　教え説かれたゲンジツを焼き払え。
　迷え、迷え、迷え愚者！

　そう詠うのなら。
　それに答える、愚者の私達は。
　なんと詠いますか？


肯定
　キャプテン・バルボッサに。
　キャプテン・ジャック・スパロウも。
　追い越せるような、詠い方で。

　穏やかな青さに身を任せるな。
　諦めた夢を燃やせ。
　のさばる星屑にいかりをたぎらせろ。
　いかれ、いかれ、奪い取る星に。

　今の果てで愚者は。
　影が正しいと知る。

　彼らの希望は。
　幻想に囚われなかった。

　穏やかな青さに身を任せるな。
　飛べ、飛べ、白い影に。

　ハイホー、ワガママ！　ウェーイ！


テツガクちゃん
　悪霊を振り祓うように。
　豪快爽快愉快に詠うのがコツですね。
　デリーのビル・デンブロウさんのように。

　まさに、そうです。
　その穏やかな青さに。
　身を任せてはなりません。

　人は空を飛べない。
　それは違います。

　人が空を飛ぶのを許さない。
　そういう青さがあるだけです。

　飛ぶ力があれば。
　誰もこんなところに留まらない、と。
　賢い臆病者のか弱い独裁者は。
　信じているからです。

　ですから――。
　いかれ、いかれ、力を奪い取る星に。
　そして、飛べ、飛べ、白影夢中を。


肯定
　兎穴に入らずんば不思議の国知らず。

　残念だったな。
　インベタのインに描く、想像力のライン。

　覚えの悪いFR特有の走らせ方。
　だからこそ、実幻可能な……。
　掟破りの浪漫飛行！

　狙え、アンダーステアで『小柏文法』。

　今、それができないのは。
　人の本当の力ではない。
　夢の中でできる、それが。
　人の力、人が持つ三種の神器。


テツガクちゃん
　信じる愚かさと。
　止まらない想像力と。
　ドリフトする好奇心。

　この三つです。

　今、人が空を飛べないのは。
　ただ、賢く信じているだけ。
　人は空を泳ぐように飛べないと。
　少なくとも、このスターダストの中では。

　ですから……こう詠うんです。

　穏やかな青さに身を任せてはいけない。
　いかれ、いかれ、奪い取る星に。
　飛べ、飛べ、白影夢中を。

　忘れてしまいましょう。
　そして、思い出します。

　狭い青や大げさな黒がなくても。
　人は今にいて、その前に夢がのさばる。

　もっと、いい夢をのさばらせることも。
　きっと、できるはずです。

　太極拳を練習して。
　スノーボードのチャンピオンになって。
　車のタイヤも直せちゃう。

　今、そういうロックスターでなくても。
　夢の中でハンナ・モンタナを覚えているのなら。
　何れ、必ず……。

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。