見失った何か

　見失った何か。
　その覚えはあるのに。
　何を見失ったのか、その答えは錯綜中。
　だけど、また逢える気がする。
　今は、視界では捉えられない、そのことに気づいているから。





肯定
　ああ、また何かを見失ってしまったみたい。

　そうならないように。
　メモを残すようにしてたけど。
　それでも間に合わず、何かが飛んでいった。


テツガクちゃん
　それは、風のようなものですか？
　それとも、過未飛行機的な何かですか？


肯定
　その形も見失ってしまったみたい。
　困った『Mr.ジョーンズ』だよね。

　これまでも、たくさん見失ってきた。
　そのことは、わかっているのに。
　その数はわからない、というね。


テツガクちゃん
　わからないことがわかっている。
　ステキな『Mr.ジョーンズ』じゃないですか！

　見失ってしまったのであれば。
　それは、視覚という感覚から外れただけです。

　まだ、他の4つの感覚が。
　捉えているのかもしれません。

　あるいは……別の感覚。
　六感や七感に八感といった。
　新しい感覚などが。


肯定
　なるほどね。
　見失った、ということは。
　視界から外れただけね。

　それなら、また逢えそう。
　突然、目の前に現れたり。


テツガクちゃん
　そうですよ。

　最初に見た時は、何も感じなかった、何か。
　時空の中を歩くうちに、気づきだした、あの何か。
　その何かに、『はじめまして』と。
　挨拶する準備ができた時。

　必ず、その何かは姿を現します。
　例え、思い出せなくても、必ずです。

　なぜなら、それは過未の時空を旅する。
　伝説の何かですから。　

　その時は、全てを後回しにして。
　思う存分、話をしましょう。　

　あなたは、何かを見失った。
　その覚えがありますか？

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。