デッドマン・ウォーキング!
死人が、死人が歩いていく!
そう仰ったパーシーさんは正しかった。
確かにこの国では腐乱死体が歩いている。
死体と同時に死人ではない――という事は?
肯定
『グリーンマイル』って映画で。
下品に上品なパーシーさんは叫ぶ。
デッドマン・ウォーキング!
死人が、死人が歩いていく!
それは正しかった。
パーシーさんは典型的かつ模範的な。
日沈む国の人の象徴のような人物。
パーシーさんこそ日本人。
人類を滅ぼすようにプログラムされて。
未来から送り込まれたターミネーター。
下品に上品な自称民度が高いレイシスト。
だなんて事実より――。
重要なのは、そう死人だ。
我々は誰もが。
死体と同時に死人ではない――。
そう信じているわけだ。
テツガクちゃん
そう信じているようです。
今の自分はいつかの死体である。
それは、揺るがない事実ですが。
同時に死人ではない。
今に生きている、そう信じている。
今は見えない昔では死体。
だけど、信じる今に生きている――。
まさに、存在と同時に存在しない。
肯定
完璧に存在と同時に存在しない。
そういう二つの世界、二つの靴を履きこなしている。
無意識にうっかりと、認め難い事を許している。
存在しない。
その揺るがない事実と。
存在――。
その先は不確かな信念が決める未知。
その二つを同時に履きこなしている。
確かに死体だ、死体の僕が歩いている。
吸血鬼が人に擬態して歩いている。
ウサギも歩いている、眩しいアメリカ娘の姿で。
問題は――僕の目の前にある現状。
この日沈む国では腐って乱れた死体が。
悪臭を放ちながら、お互いを攻撃している事。
まるで、『ニードフルシングス』のキャッスルロックのように。
そのくせ、半分は『IT』のデリーのように無関心。
この国はキャッスル・デリーってとこだ。
だけど、その事実すら――。
テツガクちゃん
存在と同時に存在しない。
そうです、存在しません。
ただのピエロです。
きっと、肯定さんに見える事実。
ITを誰かに明かしても。
イカれてる、と取り合わない事でしょう。
ですが、それは希望です。
誰かも取り合わないのですから。
自分も取り合う理由がありません。
忘れてやりましょう。
この私と一緒に。
デッドマン・ウォーキング!
死人です、死人が歩いています!
歩けるはずのない。
いつかの死体が今に歩いているんです。
歩けるはずのない。
そう昔から信じていた未知すら本当は――。
バニー&ヴァンパイア。
1人でイカれるより。
誰かと一緒にクレイジーにイカれる。
いかれ、いかれ、奪い取る星に!
飛べ、飛べ、白い影に!
いつかの死体にこわいものなどない!
欺瞞は射殺だ! 自分に続け!
デッドマン・ウォーキング!
死人が、死人が歩ていく、カントリーロードの上を。
今は死んでいない。
自分は今に生きていると信じて歩いてる。
もし、それが事実ならば。
本当にその今を選びますか?
どんな今にでも辿り着けるとしても。
まだ、その今を信じますか?
まあ、答えはなんにせよ。
歩けないはずの死体が今に歩いているんです。
歩けないと信じていた未知、その先にも辿り着けても。
何も不思議じゃないって事です。
スプーンなんてなく、大きな魚もいない。
確かにファンタージェンに境界線などなく。
ただ扉を壁だと思って過ぎ去って来ただけで。
それに気づけたら、未だ来ない向こう側へすら――。
歩ける死体に不可能はありません!
仰げショーシャンクの空、抜け出せジワタネホ。
約束の血の誓いが――浮かぶ時間。
旗を掲げろ。
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