2025年2月25日火曜日

浮かぶ時間だ


 『EYES OF SKY』か『A Whole New World』。
 それを聴く時だけ消える、目の前の記憶が消える。
 そして、浮いていく、浮上する感覚が伝わる。
 柔らかく温かいが誰かがこう伝える。
 「浮かぶ時間です」と。





肯定
 映画、主に洋画の場面を観た時。
 体に幽かに電流が走る。
 それは、ほんの一瞬の出来事。

 だけど、音楽だとそれが続く。
 今なら『EYES OF SKY』か『A Whole New World』。
 それを聴く時だけ消える、目の前の記憶が消える。

 余計な事を忘れた。
 記憶のない今に繋がり始めて。
 静かに伝わり始める。

 浮いていく、浮上していく感覚。
 その柔らかく温かい誰かはこう伝える。


テツガクちゃん
 浮かぶ時間です。
 正しくは帰る時間です。

 もう、十分にシャレた事でしょう。
 記憶の海に飛び込んだ。
 今では墜ちて沈んでいるように思える。
 そういう遠い過去のように感じ始めた。

 だからこそ、浮かび始めた。
 フワフワと風船の如く。
 ぷかぷかと船の如く。

 隠したITが静かに確かに。


肯定
 そう伝わり始めた。
 何れそう染まり出すのかも。

 これこそホラー、恐怖の伝染力。

 でも、本当は恐くも怖ろしくもない。
 自分の事だから伝わって当然。
 過去も未来も。
 その全てに繋がって当然なのに。

 なぜか、それができず。
 過去だけが振り返れて。
 未来は覗けないと信じ始める。

 自分には全く関係のない。
 誰かに教え説かれたITにすり替わった。
 そうやって、この記憶を自分だと信じて来れた。

 それが――消える。
 そして、浮かぶ、新しい記憶が。

 今は夢のような記憶。
 だけど、ITが僕が預けた昔。


テツガクちゃん
 今は昔、竹取の翁で。
 夢は今、月のわがまま姫、脱獄。

 今が昔で、夢が今。
 そういう記憶にいると。
 矛盾が当たり前で、当たり前が矛盾。

 まさに、アリスさんが迷い込んだ不思議の国。
 ドロシーさんが落ちたオズの王国。
 ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャさんが読み始めたSF小説。
 脱獄王、アンディ・デュフレーンが舞い降りたショーシャンク刑務所。

 人は誰もが記憶の海にいるんです。
 信じ難くても、それは事実です。

 どんな今も昔って記憶になるのですから。
 今、この瞬間すら、いつかの記憶。

 認め難く許し難い事実。
 ですが、ITに触れたら――いつの記憶か。
 伝わり始め、気づきます。

 人生は帰り道、目覚めは最高。

 列車を待っています。
 故郷へ向かう列車を。

 望む人には逢えますが――。
 いつかはわからない。

 でも構わない。

 なぜか?

 本当は既に隣にいるから。

 血を吸うように知を吸い過ぎる。
 私の吸血鬼のホームズさんは。
 眠るように記憶の海に飛び込んだまま。

 見ている夢が確かな今だと思えるように。
 今を夢のように閉じた。
 まぶたを閉じるように。

 夢が今で、今は夢……。

 その事実を伝える力が――。
 誰にだって何れは伝わるものです。
 浮かんでいく感覚と共に。
 キックです、アーサーさん!




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砂漠でアマゾンを探している

 多くの人は砂漠でオアシスを探している。  平和ってオアシスを信じて、求めて彷徨う。   隣にアマゾンがあっても、砂漠の中で探す。  今、本当に欲しいもの、ITを忘れかけながら。  砂漠のオアシスなのか、豊かな水源があるアマゾンなのか。