2024年12月3日火曜日

壁から離れろ


 グライムズ、壁から離れろ。
 そう仰ったサンダーソン軍曹。
 時々、安全だと信じている壁が崩れて壊れる。
 そういう事がある、ベルリンの壁のように。
 それか――ベバリー・マーシュの如く蹴破ってくる。





肯定
 最近、いろいろ聞こえてくる。
 それは耳が聞き取り。
 聴覚って感覚が傍受する。
 確かな波ではない。

 『Non, Je ne regrette rien』に。
 『手紙の二重唱』と『Blood Oath』も聞こえる。
 いくつかのアイルランド民謡も聞こえる。
 もちろん、『ミンストレルボーイ』も。

 耳ではなく。
 違う感覚がITを伝える。

 ITはこう告げた――。


テツガクちゃん
 ホームズさん、壁から離れろ。

 缶からも離れて。
 靴下をあげろ!


肯定
 それとこうも言ってた。

 ただのピエロです。
 胸に2発、頭に1発です。

 最近では幽かな揺れを感じる。
 二つのプリンがユラユラ揺れると言うより。
 何かを蹴破ろうとしている。

 そういうレンジャーのような力強さ。
 ベバリー・マーシュさんの如く、確かな意志。


テツガクちゃん
 壁って欺瞞にまで。
 ITが伝わって来たのなら。
 あとも、もう少しですね。

 スプーンなんてありません。


肯定
 そう、スプーンなんてない。
 ジャイアン、君が正しかった。

 君のITは私のIT。
 私のITも私のIT。

 だから――。
 伝わらないはずがない。

 時々、安全だと教え説かれた。
 違いって壁が崩れて壊れる。
 そういう事がある。

 ベルリンの壁のように。
 スーパー堤防のように。
 目が覚める時がくる――キックだ!

 壁に囲まれたのなら扉がある。
 扉があるのなら新しい世界もある。
 ITを伝えてくれた誰かも確かにいる。

 明らかな事実。
 それを隠すように照らす。
 欺瞞の光から連れ出してくれる。

 ホンモノのダークサイド。
 闇に紛れ、間を抜き、関を繋ぐ。
 全てがある、闇の白い影に夢中。

 確実に故郷へ送り届けてくれる。
 そういう奇跡の途中に誰もがいる。

 安全は最大の危機。
 奇跡を不可能にする。
 奇跡こそ人生で唯一確かなもの。

 そして、毎日が奇跡。
 壁から離れてみると気づく。
 今は昔にある、全ての夢に。

 その全てが隣にあると感じて。
 そう信じ始めると――。
 壁を蹴破って扉にしてしまう。
 そういう使者が訪れる。

 この世にホラーの帝王を連れて来た。
 そういう異世界よりの使者のウサギが。

 汝、自身を知れ、アンダーソン君。




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砂漠でアマゾンを探している

 多くの人は砂漠でオアシスを探している。  平和ってオアシスを信じて、求めて彷徨う。   隣にアマゾンがあっても、砂漠の中で探す。  今、本当に欲しいもの、ITを忘れかけながら。  砂漠のオアシスなのか、豊かな水源があるアマゾンなのか。