2025年1月21日火曜日

オスカー・シェル理論


 今、生きてる人は。
 人類史上の全死者数より多い。
 だなんて言って、物語を始めた。
 小さな巨人、オスカー・シェル氏は。
 とんでもなく先を知っていた。





肯定
 今、生きてる人は。
 人類史上の全死者数より多い。

 だなんて語りから始まる物語。
 その速度はあまりに速過ぎた。

 シューマッハって魔王よりも速く。
 シューベルトの魔王よりも速い。

 だから、僕がその理由に。
 追いつくにはこれが必要だった――。
 悪魔の自転車。


テツガクちゃん
 ラッキー、希望という名の自転車。
 300ドルで全てを振り切り祓える。
 そういう速度の自転車。

 きっと、この語りから物語を始めた。
 小さな巨人、オスカー・シェル氏には。

 死だなんて概念は。
 欺瞞に過ぎないのでしょう。

 フルスピードで走るのが生き様の。
 日出ずる世界にある、アメリカにおいて。
 死という現象は。

 新しい世界へ行ってくる。
 だから、またな、と言えよ。


肯定
 クリス・チェンバーズの如く。
 アイル・ビー・バック。

 確実に送り届ける。
 そういう勇敢な勇士がいる。
 フート軍曹みたいな希望が。

 だから、こういう式が成り立つ。

 今、この世に生きる人
     +
 かつて、この世に生き、今、あの世に生きる人

 その足し算が。
 今に生きる人の数。

 だから、今、生きてる人は。
 人類史上の全死者数より多い。

 そう言えた。


テツガクちゃん
 小さな巨人、オスカー・シェル氏は。
 とんでもなく先を知っていた。
 ホーキング博士よりも先を覚えていた。

 昔はあって、今はない。
 そういうグレーゾーン。
 ITを探すのをやめずに見つけた。

 だから、言えた。
 掟破りの浪漫飛行で狙う。
 今は昔の第6区。


肯定
 この物語のお蔭で浮かんだ。
 僕の故郷、あの世の第七区。

 今、わからないからって。
 人が間違っていると思うのは傲慢だ。

 多少、昔くらい知ってる。
 みんな、昔と違う事をおそれている。

 もっとも自分達が。
 レイシストだって気づけないターミネーターには。
 永遠に理解できない思考回路だろうがな。

 自分とは違う誰かを知りたい。
 関心ってプログラムが抜かれた。
 お神に忠実な泥人形のストームトルーパーでは。

 答えが目の前にあっても。
 全く気づけない。
 そのまま、遥か彼方を目指して進み続け。
 後ろから撃たれるわけだ。

 ポジティブ根性論、前向きジャンキー。
 ハイル・ポジラー!
 マンセー、レイシスト!

 あまりに賢過ぎる生き様。
 邪神天照にとっては100点満点の模範解答。
 でも、愚者の僕にはなんの価値もない無回答。

 この世界は欺瞞のファンタージェン。
 どこかで何かがすり替えられてしまった。
 そういう誰かの夢、自分の夢ではない。

 だから――ITが聴こえる。
 ベバリー・マーシュさんが扉を蹴破るように。
 揺れる向こう側から、こう確かに聴こえる。

 壁から離れてください、ホームズさん。

 たぶん、誰にも理解できないと思う。
 なぜって、それが証明されるまで。
 8分間の時差があるから。

 壁が崩れて壊れても。
 それが街中に知れ渡るまでの時差。

 だけど、ITがいつでも起こると。
 毎日が奇跡だと気づいている人には――。
 ITは今すぐに伝わる、信じる愚かさがある人には。
 今は昔の夢が全て見える。

 見えて当然、本当は自分の夢なのだから。




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砂漠でアマゾンを探している

 多くの人は砂漠でオアシスを探している。  平和ってオアシスを信じて、求めて彷徨う。   隣にアマゾンがあっても、砂漠の中で探す。  今、本当に欲しいもの、ITを忘れかけながら。  砂漠のオアシスなのか、豊かな水源があるアマゾンなのか。