キミのママじゃない

　キミのママじゃない、だって？
　随分、酷い醜態をたらたら垂らした。
　醜垂らし団子ジョーク。
　おい、俺はキミのコドモじゃねーぞ。 
　説教垂れるなら、自分のコドモだけにしろよ。





否定
　誰かが言ったよ。
　私はキミのママじゃない、って。

　酷い醜態をたらたら垂らした。
　醜垂らし団子ジョーク。

　笑ってしまうよ。


フィロソフィー
　笑ってしまいますね。

　ですが……。
　どのあたりが、ジョークなのでしょうか？
　私には冗談にも見えません。


否定
　おっと、そうだね。
　明る過ぎると、ただの台詞に見えるね。
　それじゃ、ほんの少し暗くしてさ。

　キミのママじゃない、って？
　笑わせないでくれ。
　俺はキミのコドモじゃない。
　説教を垂れるなら、自分のコドモだけにしな。

　それに、俺のママは説教なんかしないんだ。
　あんたみたいに、器の小さな小人じゃないからさ。
　
　わかったら。
　とっととワンダーランドに帰んな。
　踏み潰される、その前に。

　どこかの映画に。
　そんな場面があったのさ。


フィロソフィー
　それはそれは。
　なんとも面白いジョークですね！

　たしかに。
　キミのママじゃない、とは……。
　酷い酷い醜態をたらたら垂らした。
　醜垂らし団子なジョークですね。

　ママでもない人が。
　誰かに説教するなんて……。


否定
　随分と失礼な話でしょ？
　説教なんて躾は、自分のコドモだけで満足だ。
　
　もし、躾けたいのであれば。
　ママじゃないなんて言い分。
　その言い訳が善い訳もなく。

　最後まで責任を持てる。
　そんな器の大きな粋じゃないと。
　余裕のない無粋な人がやっても。
　育つ前に腐らせてしまう。


フィロソフィー
　腐ってしまいますね。
　そして、仲良く。
　腐った醜垂らし団子親子ですね。

　それは、それで。
　幸せなのかもしれません。


否定
　そうだね、幸せの形は人それぞれ。
　醜垂らし団子だって必要さ。
　事実、私はそれが好きだし。

　ただ、私の母上は説教などせず。
　偏屈で嫌味っ垂らし団子な私を。
　そのまま、受け止めてくれた。

　大きな器の持ち主。
　それくらいの器じゃないと。
　人の心は、流れ消え去ってしまう。

　心がなくても構わないのなら。
　人形でも飾ればいい。
　手がかからず、自分の寂さだけを受け止めてくれる。
　最高のコドモだろう？

　ママってのは。
　そうそう、気安く口にできないのさ。
　器の小さな人じゃ、受け止められないからさ。
　
　都合のいい兵隊が欲しいなら。
　泥人形でも雇いな。
　始まりの皇帝みたいでかっこいいだろ？

　全く、無粋なママ気取りにはうんざりだ。
　あなたも、そうは思いませんか？

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。