2025年5月13日火曜日

バオバブが情熱のバラ


 ビジネスマンは教え説く。
 バオバブは悪の象徴だと。
 星を壊してしまうから。
 だけど、気づいた、バオバブは情熱のバラで。
 誰もが金網の中でITを育ててる、英雄にあこがれて。





肯定
 ビジネスマンは教え説く。

 バオバブは悪の象徴だと。
 星を壊してしまうほど。
 大きくなってしまうから。

 だから、その前に叩け。
 出る杭がバオバブ。
 吸血鬼の封印を解かないように。
 心臓に打ち込んだ杭を打て。

 だけど、気づいた。
 バオバブは――情熱のバラだって。


テツガクちゃん
 ほんの少し、ほんの少しだけ。
 わがままだったのかもしれません。
 ワガママ・クイーンの私からすれば。
 とても控えめなわがままですが。

 だからこそ。
 世界でたった一本のバラ。
 どんなに離れても忘れないバラ。
 目に見えなくても忘れない。

 何れ、バオバブみたいに。
 大きく確かになる情熱のバラ。


肯定
 ジャックと豆の木みたいに。
 どこか新しい世界へ繋げてくれる。
 そういう夢の扉が情熱のバラ。

 だけど、星を所有したいビジネスマンからすれば。
 その情熱のバラは悪魔のバオバブ。
 自分の小惑星から星を連れ出してしまう。
 星の破壊者でしかない。

 自分がコウノトリを雇って。
 夜から星を盗んで回った苦労。
 ビジネスが水の泡になる。

 星を小惑星に閉じ込めたい。
 そういうビジネスマンにとっては。


テツガクちゃん
 ですから、しっかりと。
 バオバブは悪の象徴だと教え説いておく。

 ですが、人は誰しも気づくものです。
 その星を呑み込むほど大きくなるIT。
 今、金網の中で育てているIT。
 誰かは悪魔だというITが――自分を覚えている。

 英雄にあこがれて。
 飛び出してしまった夢。
 それは小さな小惑星に収まるはずがありません。

 星を呑み込むほど大きくなるバオバブ。
 多くの人は目に見える姿形。
 それを見ますが。

 目には見えない根。
 それがどこから芽生えたのか。
 誰にだって見つけられる。
 そして、見つけたら――もうおそれない。
 ITは自分を覚えている記憶。

 兎穴に入らずんば不思議の国知らず。

 主の帰還を待つ。
 主役が不在のお茶会ではかっこうがつきません。

 夢ってバオバブに水をあげる。
 誰かは悪の象徴だというけど。
 自分にとっては世界に一つのバラ。
 情熱のバラを忘れない。

 私の場合、杭を打たれて人に擬態している吸血鬼が。
 私がウサギである事を覚えています。

 きっと、あなたにもいるはずです。
 今は見えない昔、未来って昔で。
 今とは違うあなたを覚えている誰かが。

 きっと、悪い想像だと多くは言いますが。
 そのバオバブが何れ情熱のバラだと。
 思い出せる日が来ます。




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それでは、また次の機会にお会いしましょう。














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 あの星の王子さま。  バラのもとへ帰ったはずの。  リトルプリンスですら忘れかける。   いったい、自分が誰なのか、を。  だけど、ちゃんと思い出せる――。