2025年4月2日水曜日

スプーンなんてなく、大きな魚もいない


 生まれてすぐITを教え説かれる。
 そして、ITを信じる集団に放り込まれ。
 スプーンと大きな魚を信じ始める。
 だけど、ある日、ふと思い出す。
 スプーンなんてなく、大きな魚もいない。





肯定
 生まれてすぐITを教え説かれる。
 ITは世界って箱。
 僕に全ての人がいるらしい箱。

 そして、ITを信じる集団。
 その中に放り込まれ。
 ペテンを信じ始める。

 確かに、自分はこの箱の中にいる、と。

 だけど、ある日。
 独りでふと思い出す。


テツガクちゃん
 羊を描いてくれませんか?
 できれば、ウサギも。


肯定
 そうそう、そういう記憶を。

 それで箱の中に入った羊を描いたわけで。
 いつの間にか、自分がその箱の中にいた。
 自分が羊になりかけていた。

 知を吸う吸血鬼の特技は。
 利点であり欠点。

 利点はどんな箱にも入れる。
 欠点は自分がそこにはいない事を忘れかける。

 忘れないと入れないから。
 当然だけど。
 でも、ちゃんと思い出す。

 なぜなら、伝えてくれる。
 ウサギを描いておいたから。


テツガクちゃん
 スプーンなんてなく、大きな魚もいない。

 ちゃーんと伝えた映画を観れたわけですね。
 大きな樫の木、その下にある黒曜石。
 意思の下にある記憶から――約束を掘り起こした。

 今では信じ難いかもしれませんが。
 誰にとってもスプーンなんてないんです。
 例え、吸血鬼ではなくても。

 ただ、昔に信じ始め、信じ続けているから。
 今に立派なスプーンがあるように思える。
 イエスタデイなどなく。
 未来しか見えない、そういう今がある。

 そう固く信じ続けても。
 何れ、逢いたい人が増えるにつれ。
 事実を思い出します。

 スプーンなんてなく、大きな魚もいない。

 だから、頑張って大きな魚を信じてきた。
 大きな魚がいるはずの箱を信じてきた。
 スプーンって違いで境界線を引いてきた。

 ですが、本当は――。
 バラのいる星から出ていない。
 ずぅーっと、そこにいながら。
 飛び込んだ記憶の中を泳いできた。

 きっと、今では信じ難い事実。
 昔も信じ難く飛び込んでから気づいた。
 逢いたい人に本当に逢えた。

 
認め難く許し難い。
 信じ難く恐くて怖ろしいでしょう。

 まさか、自分が信じたからITがあるだなんて――。
 本当はなかったITがあるだなんて――。

 ですが、もし――。
 幽かでも頷けるのなら。
 誰に逢いたいですか?

 逢いたい人を思い出せたら。
 逢える日まで忘れない事です。
 簡単だから難しい。
 だけど、逢えたら爆発するほど嬉しい。

 その時、ちゃんと思い出せるはずです。
 スプーンなんてなく、大きな魚もいない。
 この事実が希望で、この教訓で今がある。
 だから、どんな夢も今に。

 今は夢、竹取の夫妻の願い。
 夢は今、竹取の夫妻の未来、脱獄。

 汝、自身を思い出せ、アンダーソン君。




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それでは、また次の機会にお会いしましょう。













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