2025年4月16日水曜日

君には見えて、君には見えなかった


 スウィーニー・トッドには見えなかったけど。
 彼女には見えていた、最初から。
 そう、ベンジャミン・バーカーは気づく。
 彼女が差し出した復讐の味で。
 その味で、世界が歪むのならば……。





テツガクちゃん
 スウィーニー・トッドさんには見えませんでしたが。
 彼女には見えていた、最初から。
 そう、ベンジャミン・バーカーさんは気づく。


肯定
 彼女が彼に差し出した、復讐の味。
 その味で、世界が歪むのなら――。
 当然、違う結末も探し出せた。

 信じる未知は。
 どんな時でも一つではない。

 彼には見えなくても。
 彼なら見えたかもしれない。
 そういう未知が、あの話にだって。


テツガクちゃん
 そっくりな彼と彼。
 スウィーニー・トッドさんと。
 ベンジャミン・バーカーさん。

 二人は全く別の世界を見ていた。
 復讐の味を覚えた彼と。
 過去を忘れかけていた彼。

 もし、ベンジャミン・バーカーさんなら。
 フリート街を彷徨う亡霊にも気づけたかも。

 私を忘れなかった。
 私のホームズさんの如く。


肯定
 キャプテン・ジャック・スパロウのお蔭でね。
 ちゃんと忘れずに、すり替えずに。
 覚めても、思い出せた。

 それが何かを信じられる。
 人が持つ、愚かさの凄さ。

 復讐を信じる人には。
 復讐すべき相手と機会が訪れる。

 希望を信じる人には。
 信じたITに気づく。

 どれを掴んでもいい。
 だけど、もし、掴むものを選べるとしたら――。
 僕はウサギを掴む。

 世界三大ウサギの一羽。
 竹取の国の愚かなFRウサギを。
 我が愛しのワガママ・クイーン様を。


テツガクちゃん
 私の吸血鬼は。
 何れ目を覚まします。

 君には見えて。
 君には見えなかった。
 フリート街を彷徨う亡霊。

 不思議ですが平等な話。

 バラを何千本育てても――。
 ほしいものは見つからない。

 1本のバラや一口の水に。
 あるかもしれないのに。

 ですが、もし。
 ほしいものが決まったら。
 誰だって見つけられる。

 ベンジャミン・バーカーさんだったら。
 亡霊に気づいて、彼女を見つけられた。
 彼と彼では、ほしいものが違ったから。

 探すというより決めるんです。
 そうすれば、伝わるものです。

 オーロラに無線機がなくても。
 400パーセク先でも、世界の裏側でも。
 ブラックホールの中でも。

 愛、関心が全ての過去未来。
 過未の領域を現在って特異点で繋ぐ。

 誰だって同じ、平等な話。
 だからこそ、それが問題です。
 自分で決める必要があるからです。

 是非、汝、自身を思い出して、アンダーソン君。




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それでは、また次の機会にお会いしましょう。












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