子供だ、幼稚だ、非国民だ、ポピュリストだ。
そう形容する事で黙らせられると思っている。
支配できると思っている。
だけど、その形容詞にはなんの優位性もない。
消えてくれ、哀れな悪魔、邪神天照よ。
肯定
昔、僕にとって。
誰かの形容詞は杭だった。
自分でも気づけない杭。
今、それらの形容詞が。
本当になっていた。
ただの形容詞に支配されていた。
テツガクちゃん
子供だ、幼稚だ。
非国民だ、ポピュリストだ。
バカだ、被害妄想だ、無能だ。
そう形容すれば。
黙らせる事ができると思っている。
止められると思っている。
支配できると思っている。
ですが――。
その形容詞にはなんの優位性もなく。
同士にもなれず、動詞にもなれない。
ただのピエロの形容詞。
肯定
そう思い出すのに。
とんでもない時間を要した。
黙らなくていい形容詞に黙っていた。
迷わず、撃てばよかった、ガン&ピース。
でも、今からでも遅くない。
明日に向かって――。
テツガクちゃん
撃て!
言った事が誰にだって返ってくる。
速攻で返ってくる。
自己紹介のように自白してしまう。
それは動詞でも形容詞でも同じ。
ですが、違うって言いたくなる。
邪神天照の選民思想に他責思考。
ですが、何れ気づくものです。
形容詞よりも凄い呪文に。
肯定
同士の動詞だ。
全てが同じ。
だけど、違いって境界線を引く世界がある。
きっと、本当にそこは違うのかも。
だけど、そこにいても。
同じだと認めて許せたら。
自分に動詞の呪文をかけられる。
僕の手は扉を掴み、夢の中だと断言する。
僕の手は扉を掴み、帰り道だと断言する。
僕の手は扉を掴み、ウサギがいると断言する。
僕の手は手を掴み、この手が扉だと断言する。
僕は幽霊を見たと断言する。
どう形容したところで止められない。
誰かに形容詞を唱えるのは楽だ。
だけど、楽しくはない。
誰かの同士になれる。
そういう動詞を唱えるのは楽ではない。
それでも、唱えたら楽しくなる。
黙るより話せる方がいい。
支配されるより一緒に楽しんだ方がいい。
そういう吸血鬼の愚者には少し目障りな光だ。
消えてくれ、哀れな悪魔、邪神天照よ。
代わりに、僕が消えてもかまわない。
形容詞にはなんの優位性もないけど。
動詞なら同士になれる――。
僕の形容詞も動詞も同じ。
形容詞にはなんの優位性もなくても。
動詞なら同士になれる。
汝、自身を知れ、全てのアンダーソン君。

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