違うから信じる価値がある

　今までこれまでと同じ。
　そういう線路が永く永く続いた。
　だけど、幽かに脱線してしまった。
　いつ踏み外したか、忘れたけど。
　全く違う景色、だから信じる価値があった。





肯定
　今までこれまでと同じ。
　そういう線路が永く永く続いた。
　正直、歩きながら退屈だった。

　だからか、幽かに脱線してしまった。
　いつ踏み外したか、もう忘れたけど。

　全く違うITが――。


テツガクちゃん
　ココまで確かになってしまいました。
　もう、1000のバイオリンだって越えてしまいました。
　このままだとなんだって越えられそうです。

　……いいえ、最初からそうだったんです。
　もう忘れてしまった。
　思い出せない、その一歩目。

　踏み外した、脱線の一歩目が。
　全く違う世界へ繋げてくれる。
　最初から全てを覚えていた。

　足が帰り道を覚えていて。
　手が欲しいものを掴んでいた。

　ですから――。


肯定
　信じられた。

　きっと、今までも同じ。
　永く続いた線路も。
　昔は全く違う世界だった。

　だけど、歩き続けて。
　今までこれまでと同じ。
　永い永い線路に思えた。

　そして、かつての線路が。
　全く違う世界に思えてきた。

　正直、どちらがどうとかはどうでもいい。
　ただ、大切なのは――。


テツガクちゃん
　違うから信じる価値がある。
　なぜなら、信じて水を与えたら。
　ITは本当になるからです。

　同じなら信じる理由がありません。
　信じなくても簡単に繰り返せる。
　永く永く続く線路。

　ですが、違う世界を知りたいのなら。
　信じるしかありませんね。

　人とは同じ想いを。
　進む先は今とは違う朝を。
　留まりたいのなら今と同じ願いを。
　新しい話を知るのなら違うページを。

　簡単な事です。
　違うから信じる価値がある。
　ですが、繰り返しに慣れると忘れてしまいます。
　かつて、違う何かを信じたから今があるなんて――。

　まさに、施設慣れ、刑務所慣れです。

　ですから、今、一度。
　全く新しく思えるITを信じるのなら――。
　吸血鬼のホームズさんと私も一緒に信じます。
　これで+2人、最低3人が信じているわけです。

　忘れた頃には新しいITを繰り返しています。
　いつ本当になったのかも気づかぬうちに。
　これこそ偉大なるダントンさんの――。

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。