錯覚という幻を信じてしまう

　人は素晴らしいことに錯覚を信じてしまう。
　誰もが平等にITを信じてしまう。
　公平ではない、それは、素晴らしい奇跡の力。
　50憶が信じる錯覚も、自分だけが信じる錯覚も。
　どちらも同じように現れる、ペニーワイズ。





テツガクちゃん
　人はよくも悪くも……。
　いいえ、とても素晴らしいことに。
　錯覚、そういう幻を信じることができることに。
　気づいてしまいました！　私！

　それは、とても大切な奇跡です。


肯定
　今、僕が。
　この世ってグリーンマイル。
　そのブラック・ワールドを感じるのも。

　きっと、錯覚。

　ただほんの少しばかり。
　信じる人が多いだけの錯覚。

　そう50憶くらい信じているみたい。
　だけど、数が多いだけの錯覚だ。

　時計を見れば、そこに時間が潜んでいて。
　肖像画のかかれた札に価値があって。
　光る石や黄金も同等だと。

　全てそう信じるから。
　錯覚だと疑うことなく順える。
　まさに、それは奇跡の力。


テツガクちゃん
　奇跡です！
　肯定さんがこの私に貼り憑けるのも。
　まさに、奇跡の力です。

　その力は、魔法使いの水晶玉みたいです。
　どんな錯覚でも、それは映し出してくれます。
　排水溝に潜む、踊るピエロのように。

　自分だけは常に正しい事実を見ている。
　そう賢く捻じ曲がった自制心だって。
　きっと、見せてくれます。

　それならば、きっと――。


肯定
　もっと、愚かに歪んだ我がままだって。

　そう何を見たいか。
　その欲望で水晶玉に何を映すか。
　それだって、決められるのかもしれない。

　魔法使いのようにね。
　素直に巧みに操って。
　誰もが平等に、不公平不公正に。

　たぶん、僕は錯覚を見続けてきた。
　なぜって、いつだって思うのは。
　こんなものじゃない。

　そう正直に思えるのは。
　それが錯覚だと知っている。
　向こう側を忘れていなかったから。

　こちらにとっては。
　錯覚の向こう側を。


テツガクちゃん
　今も忘れていませんね。
　ですから、ワガママ娘のらいおんが隣にいて。
　あの夢の続き。

　錯覚を事実だと信じ、事実を錯覚と疑う。

　きっと、受け入れがたい可能性でしょうが。
　少し愚かさを足して考えれば。
　この可能性は、素晴らしい奇跡です。

　自分だけが常に正しい。
　そこに、だけど、もし……。
　あの対照的な誰かも。
　自分同様に正しかったとすれば？

　そう考える余地余裕があれば。
　新しい未知が開けます。

　諦めてきた夢が今に。
　ゲンジツだった今が。
　忘れてしまうほど遠い夢に。

　人は誰もが平等に錯覚を信じています。

　全く公平公正ではなくても。

　その素晴らしさに気づけた時。
　敵に思えたITを忘れ去るほどの速度で。
　あっという間にインテグラ。

　四つ揃ったA、WAGAMAMA。
　それは最高で最速です。
　争い知らずの不戦神話です。

　あなた中にある、我がままも。

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。