この呪文も忘れていた

　遠い昔、遥か彼方の記憶で。
　うっかりと賽を投げたのだろう。
　目まぐるしく変わる外側を見て。
　自分はその箱の中にいる、と思ってた。
　だけど、この呪文で終わりだ、ジュマンジ。





テツガクちゃん
　神は賽を振らないはずですが――。
　うっかりと振っていた事を忘れるほど。
　その未完成のゲームに夢中になってしまった。

　遠い昔、遥か彼方の銀河系で――。


肯定
　まさか、そんな事ってある！？
　そう本を投げ出したくなる。
　そうやって、事実を投げ棄てた。

　そのまま、光を見続けた。
　まさに、クレイジー・サンシャイン。
　いかれた邪神天照のイカサマスゴロク。


テツガクちゃん
　自分を信じさせるためなら。
　白いバラを赤くして。
　空振りでもホールインワン。

　挑戦者のクラブ。
　それを曲げて、ボールは真っすぐ飛んでも。
　着地点は池の中。

　それが君の結果だと。
　しっかりと欺瞞を教え説いていく。


肯定
　違和感に気づいて。
　イカサマだと訴えると。
　他責思考の被害妄想だの。
　様々な形容詞を貼られた。

　その現状に匙を投げたくなる。
　船を降りたくなる。
　その時、忘れてしまったITが。
　力強く蘇る。

　うっかりと賽を投げた。
　確かに神、主は賽を振った。
　匙を投げたくなって、賽を振った。

　誰かの形容詞がフジツボのように。
　ITを隠していた、この秘密の呪文。

　ジュマンジ。


テツガクちゃん
　ジュマンジ。
　これでゲームオーバー。

　箱の中に入った覚えはなくても。
　目まぐるしく変わる外側を追いかけ続けた。
　バナナのルーレットを持った猿の姿で。
　お利口さんの犬の如く追い続けた。

　ですが、飢えが覚えている。
　匙を投げたくなる頃、賽を振った事を思い出す。
　うっかり眠ってしまった。
　アリスさんが目覚める時間。

　ジュマンジ。

　目には見えない大切なITが。
　フォースで導いてくれます。
　闇の中も歩けるIT。
　全てがあるダークサイドから取り出せるITが。

　邪神天照の外側の輝きよりも。
　自分の内側、その深淵から何かが浮かぶ――。
　あらゆる形容詞が剥がれ落ちて。
　汝を知る時が――まさに今、決断の刻のようです。

　２回です。
　２回入って２回脱走。

　今度こそ、ジワタネホ行きの列車が――。
　汝、十分、帰還の刻。

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。