誰も悪口なんて言っていない

　最近、気づいた事。
　きっと、誰も悪口なんて言っていない。
　ただ、それぞれの事実を口にしているだけ。
　だけど、その事実を悪口とすり替え。
　黙らせようとしているのが、この事なかれ至上主義教。





肯定
　昔、僕は悪口を信じていた。

　誰かが自分の悪口を言っている。
　そう気づくと傷ついた。
　それもかなり酷く。
　4週間ほど寝込んでしまうくらい。

　だけど、最近気づいた。
　誰も悪口なんて言っていない――かもしれない。


テツガクちゃん
　……かもしれない。
　それが、今では――。


肯定
　ハッキリと言える。
　誰も悪口なんて言っていない。

　そう思えたら。
　特に傷つかなくなった。
　なんとも思わなくなった。

　だって、事実だし。
　それに――。


テツガクちゃん
　自分にある事実と。
　誰かの事実が同じではない。

　流行のファクト、事実。
　それは一つではない。
　唯一無二の事実。

　そう思い出せた。


肯定
　かなり時間がかかったけどね。

　ずっと、誰かに教え説かれた。
　その言葉を信じてきた。

　誰にとっても同じ。　
　絶対的なものが事実だと。
　違った。
　事実すら人それぞれ。

　みんな、同じ今にいる。
　唯一の今にいるけど――。
　その中をどう進んでいるのか。
　それは、二つとないが一つでもない。
　それぞれの無二。

　この唯一無二は希望だ。
　僕は永い事、この国、この世界の人だと思ってた。
　なぜって、そういう集団の中で。
　教え説かれた幻想を信じていたから。

　だけど、僕の奥の方から何かが訴える。
　邪神天照の光を見過ぎるな。

　悪口じゃない。
　吸血鬼の僕には――その光は毒だ。
　アダムスファミリーが見えなくなるほど。

　みんな、事実を言っている。
　そう信じないと関わりたくなくなる。
　嘘や悪口を言う奴とは関わりたくない。

　だけど、この国では――。
　嘘や悪口を言う奴がいる。
　だから、誰かを疑え、用心しろ。
　そう教え説く。

　昔は信じた、ITを箱にしまうよ。
　今じゃ関わりたい事実を思い出してきた。

　ウサギだ。
　世界三大ウサギの一羽。
　竹取の国の愚かなFRウサギ。
　その隣で眠っている吸血鬼の愚者が僕。

　だけど、夢の中で邪神天照に杭を打たれている。
　夢から出れないように杭を打たれている。
　瓶の中に閉じ込められた星の一つが僕。

　事実を悪口だとすり替え。
　黙らせようとしても無駄だ。
　その事実はハッキリと簡潔になってしまう。

　抵抗するものははびこる。

　それを知らなかったみたいだな、邪神天照。
　君が事なかれ至上主義で黙らせようとした事。

　その全てに強大な力が宿ってしまう――。

　そういう呪いを君は知らなかったらしい。
　悪魔は自分独りだと思っていたようだけど。

　とんでもない悪霊のウサギが今――。

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。